娘のために初めて犬を飼います
こんにちは、がくんちのガクです。
がくんちはアンチ・ペットショップです。ペットショップというビジネスモデルが苦手という意味で、そこで働く人々が嫌という意味ではありません。
がくんちには愛犬がいます。トイプードルのメスです。我が家はカナダとの所縁が深いため、カナダ国旗にもあるメープルリーフ(楓の葉)にちなんで、「メープル」と名付けました。
今回のがくんちの体験談は、これから初めて犬を飼おうかと悩んでいる家庭にとって、有益な情報になると信じています。
犬を飼うことにしました
犬を飼う動機は人それぞれだと思いますが、我が家の場合は、娘が小学校に入学した時のお祝いでした。
「生きとし生けるものを大切にする、優しい子に育ってほしい」という娘への願いから、動物の命を感じてもらおうという親の狙いと、何でもいいから可愛いペットを所有したい年頃の娘とが噛み合いました。
ハムスターとかハリネズミとか、そして猫とか色々話し合いましたが、結局、娘は犬を選びました。
かくいう私は、幼少期をハムスターと二羽の手乗り文鳥と過ごしました。ある日、軒先に鳥籠を出して文鳥達に日光浴させていた時に、文鳥一羽を蛇に絞め殺され、食べられる前に母が蛇を追い払ったという事件が起こりました。その一羽を自宅の庭に埋葬するという、子供ながらにショッキングな体験をしましたが、小動物の飼育を通して優しさの一部は備わったと思います。
話を犬に戻すと、世はコロナ禍の真っ只中で、外出できない代わりに愛玩動物を愛でたいという家庭が急に増加したようで、ペットが飛ぶように売れているところでした。
娘が生まれてから、なんとなくペットを飼うことは計画していたので、生体そのものの価格は時折チェックしていたのですが、このコロナ禍で倍近くの価格につり上がっていた印象があります。
日本広告機構から「ペットを衝動買いしないで!」という意味合いの広告が見られるほどに、ペットブームが加熱していました。
今年 (2022年) クリスマスのメープルの様子
ペットショップでの出来事
それはある大規模ショッピングモールにあるペットショップでの出来事でした。妻の口から「犬を飼おうかな・・・」と発言することが増え始めていた時期でした。すでにコロナ禍のペットブームにのせられた一人だったのかもしれませんが、ちょうど娘が小学校に上がる時だったのと、娘自身も犬が欲しいと言い続けていたので、「お祝いにいいと思うよ」という軽い返事を返していました。「でも色々と調べないとね」とも言っていました。まずは情報が必要ですよね。
ある日曜日のこと、大型ショッピングモールのペットショップに、リサーチがてら(価格把握の目的)家族でふらっと立ち寄りました。別の用事のついでにです。
娘が可愛らしい純白の子犬を眺めていたところ、近くにいた店員さんが「抱っこしてみます?」とやって来ました。この声がけは予想通りです。それを断る子供はいませんし、母親も犬に大きな関心を持っていたのでおさら断りません。
そして抱っこすると、当然可愛くてしかたなくなります。犬も赤ちゃんなので、大人しくて甘えん坊です。そこで店員さんの説明が始まります。いかに簡単に犬が飼えて、お得なサポートを得られるかってところです。ビギナーには、ハードルを下げるのが鉄則らしく、まさにマニュアル通りです。まずは抱っこさせるというのは作戦なのかもしれませんね。
家庭環境に適した犬を
この店で娘の手に抱えられていたのは、ビション・フリーゼというフランス原産の白い犬。小型犬だけれど8キロ程度(6~11キロ)という重量になるそうで、そのときは8キロってどれくらい?って思ってました。(今思うと我が家の環境には適さない重量です)。
「8キロくらいにしかならなくて、とても育てるのが簡単な犬ですよ」とのこと。振り返ると、我が家のメープルが3キロちょっとでちょうど良いので、8キロというのは考えただけで胃もたれするようなレベルです。(あくまでも我が家のケースですよ。)そして運動量も多い犬であることが後程判明。つまり散歩を必要とする頻度が高いということです。
ビション・フリーゼの意味は「白い巻き髪」
ちなみに犬の毛はシングルコートとダブルコートがありまして、ダブルコートというのは、剛性の高い上毛(オーバーコート)の下に、産毛のような下毛(アンダーコート)が生えている状態のことで、アンダーコートが生え変わる時期に抜け毛が多くなります。その代わりダブルコートの犬は寒さに強いという特徴があります。
対してシングルコートは毛が抜けにくい代わりに、寒さには弱い傾向があります(あくまでも特徴なので、犬種によって程度は様々です)。
この頃の娘には、若干ですがアトピーの傾向があり、毛の抜けやすいダブルコートの犬は敬遠すべきでした。そしてビション・フリーゼはダブルコートです。しかも純白なので、常に手入れしていないと汚れが目立ちやすく、ブラッシングも毎日のようにしないと絡みやすいです。
トイプードルのメープルはシングルコートで、せいぜい4キロ未満程度の小型犬なので、我が家の環境には適していると思います(どれくらいの重量になるかは遺伝によるので、血統からだいたい把握できるようです)。ビション・フリーゼは実際にとても可愛い犬ですし、ビジュアルだけなら娘の理想の犬でした。
店長の異空間魔法
妻と娘が子犬に感情移入したようなタイミングで、店員さんが店長と入れ替わりました。店長さんが、上手に妻と娘の感情を煽ります。
この無邪気な白い毛の塊は、色々サービスをつけると合計で約70万円とのこと。犬種の違いもよく理解していない今、「はいそうですか」といって買える金額ではありません(おとうさんは冷静です)。
ところが妻が自分でお金を出すという話だったため、「70万だったらいけるかな?」と、彼女の脳髄は店長の魔法により異空間に転送済みのようでした。私には、まるで占い師に壺でも売られそうになっている信者に見えます。店長さんは犬と娘が完全にリンクした(と錯覚させられている)のを確認しつつ、「出会いですからね。とても人気なので明日にはもういない子かもしれません。」などと、異空間に向かってとどめの呪文攻撃を仕掛けてきたのです。そして呪文詠唱は最終段階を迎え、「だいたい皆さん最初は飼うつもりが無くても、出合ったその場で買われていきますよ。出会いですから・・・」
さすがにヤバいと思ったので
ここでやっと「おとうさんマン」の登場です。妻にかかった黒魔術を浄化させて冷静にさせると、店長さんに対し、「我が家は素人でまるで分かっていないし、出会ったばかりで衝動買いするのは娘の教育上も良くない。犬を飼えるかどうかもまだ腹落ちしていないので、家に帰って冷静に話し合った上でどうしてもということであれば、この犬を引き受けに来たい。その時にもういなければ、縁がなかったということで諦める。」と、丁寧に説明してその場を離れました。娘はぐずっていましたが、我慢することも覚えて欲しい。
あくまでも経済活動なので、お店の方々が悪いとは全く思いません。ただ、幼児がああやって魔術の媒体にされてしまうのを目の当たりにして、背徳感のようなものは感じました。これも親としての勉強です。
あの可愛いビション・フリーゼなら、うちみたいな初心者じゃなくて、きっと良い飼い主と巡り合うことでしょう。
次回に続く
文章が長くなってきたので、続きは次回に持ち越したいと思います。
次回は、あくなき犬探しの旅でペットショップを巡った挙句、ブリーダーさんに行き着いた話をご紹介します。
それではまたお会いしましょう。
ガク
★がくんち-Gaku’s Base★
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